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両者は似たものだが同じではないので、この微妙な差異について今後の経過をみまもる必要があるでしょう」と、木下教授は話している。
角膜上皮だけでなく、角膜内皮細胞もヒトの胎盤から抽出したコラーゲンとFGF(細胞の増殖をうながすタンパク質)などを上手に使うことで培養できるようになった。
木下教授らはこれまで培養角膜上皮シートを羊膜上につくることに成功していることから、角膜内皮細胞でも試みた。
問題は、角膜内皮細胞の密度をどのようにして上げるかという点と、現実的な移植方法に関する点だという。
「1平方ミリメートルに3000個以上の密度があれば、手術が可能になる」そうで、作成した培養角膜内皮シートは3340個だった。
このシートをウサギに移植したところ、角膜浮腫は出ず、角膜の透明性は保たれた。
今後手術方法に関する本格的な改良がなされれば、2、3年以内に移植できるようになると木下教授はみている。
角膜の再生では、体性幹細胞として角膜上皮幹細胞、結膜上皮幹細胞、口腔粘膜上皮幹細胞、角膜内皮幹細胞などの応用が試みられているが、このほかにも、骨髄系の造血幹細胞、間葉系幹細胞、神経幹細胞、膳帯血細胞、脂肪細胞などが細胞の供給源としてあげられる。
また、ES細胞を使って角膜細胞を分化誘導できるか実験しながら、体性幹細胞の培養に役立てることも考えられている。
先にも書いたように、角膜は上皮、実質、内皮という3つの細胞層から構成されている。
角膜実質の再生についても、プロジェクトが進行中である。
最終的には「角膜そのものの再生」にたどりつけるかもしれないが、「実験レベルではともかく、臨床応用を考えると需要は案外低いかもしれない」と木下教授は話す。
というのも、全層が傷ついている角膜疾患は意外に少ないからである。
しかも、透明でレンズ効果をうまく出すという点では、ドナーの角膜移植に勝るものをつくるにはまだ4、5年はかかるだろうという。
いいかえれば、上皮と内皮の培養シートが移植できれば、かなりの角膜疾患は解決できる。
とくに内皮に関しては、角膜疾患の50%は水泡性角膜症であることから、培養シートが大量につくれるようになれば現在のドナー不足を補えるのでは、と期待できる。
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